「光物に傷を
壊れ物に涙を
旅立つ心境よ
鳥になって大空を舞え」
傷だらけの天使は笑った
乾いた笑い声
瞳孔は開き
涙は枯れ果て
皮肉交じりに歌う讃美歌
恐ろしい程美しく
背筋が凍り付く
絶望を見た天使は
失望を繰り返し
生きて死した
素晴らしい程の絶景は
灰山へと戻り
色を失った世界は
とても静寂で
やがては黒い雪を積もらせた
世界が真っ黒に染まる頃
光物は失われ
空には太陽も月も存在しない
枯れ果てた大地に
産声をあげる悪夢
ここは夢か幻か
己の視界さえ疑う
ここは常世か黄泉か
己の脳さえ疑う
絶望の天使が歌うは
惨劇の歌でも無く
美しい讃美歌
それは死してなお
歌い続けなければならない
彼らの定めか
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