強風に飛ばされる火の鳥
それでも炎が消えぬのは
何故か
そこまでの熱意があるのか
そこまでの怒りがあるのか
消えぬ炎は豪雨をも掻き消し
燃え盛る
この様な情熱
わたくしめには無く
否、昔はあったのかもしれない
だが今は無く
無に等しく
只その日暮らしをしている
何故そうなってしまったのか
挫折を味わい
後悔を知り
屈辱を覚え
無になった
今一度、今一度と
燃え上がろうと試みてみるが
炎は上がらず
朽ちた鳥のままでいる
周りで飛び回る火の鳥が羨ましい
そして恨めしい
何故、何故燃え盛れる
夢を失った訳では無い
希望を失った訳でも無い
只無なのだ
わたくしめの頭の中は
無なのだ
がらんどうなのだ
小石を蹴飛ばし
いじけている幼子と同じだ
わたくしめが今一度燃え上がれるのならば
閻魔様の元へと逝こうか
胎児からやり直すのだ
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