毎夜毎夜と恋文を綴り
おねだりされりゃ聞いてやった
邪魔する輩は皆殺し
こんなあたいに誰がしたのさ
あんさんと出会い一目見て
あたいは恋の海へと落ちたのさ
沈んで沈んで底まで着いて
浮かび上がるにゃどうも難しく
首でも切らなきゃ抜け出せない
海が真っ赤に染まる頃
あんさんは他の女とよろしくやってる
そんな事はあたいは許さず
掴んだ腕は決して離さない
足にしがみつき引き摺られ
行かないでおくれと泣き喚く
あたいが死んだら憑りついてやる
一生あんさんのお側に居させて貰います
嫁にするなら早うせんと
だけどあんさんはその気を見せない
部屋に積み上げられた恋文に
いつか潰され死んじまうよ
何とも厄介な病に掛ったもんだ
恋の病とは言うけれど
これは重症な恋の病
近くの稲荷のお寺さんに
お稲荷さんを持って狐に頼む
「早うあん人が死にます様に」
海の底から上がるには
あたいが死ぬかあんさんが死ぬか
こんなあたいは好きですかい?
こんなあたいでも好いてくれますかい?
ちんどん屋の太鼓の音がする
陽気に笑い歌うたう
あたいも笑おう
あんさんも笑いなされ
そん時だけが幸せなのだから
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