「
女の子は如何?可愛い女の子を買いませんか?可愛い男の子も居ますよ。」
雪の中、寒い冬の風に吹かれながら、一人の少女が街行く人々に声を掛けます。
「
女の子は如何?男の子も居ますよ。」
真っ白な息を吐きながら、行き交う男性、女性問わずに声を掛ける少女。
そんな少女の元に、一人の女性が近づき、尋ねて来ました。
「
女の子と男の子、何に使ってもいいのかしら?」
少女は笑顔で答えます。
「
えぇ、好きな様に使って貰って構わないわ。儀式の材料にするもよし、バラして臓器を売るもよし、観賞用として使うもよし、お客様のお好きな様に、どうぞ使って下さいな。」
すると女性は、小さなバックの中からサイフを取り出しました。
「
一人お幾らかしら?」
少女は嬉しそうに答えます。
「
物によって違いますが、質の良い物だと少し値が張りますよ。」
「
構わないわ。商品を見せて頂けるかしら?」
女性がそう言うと、少女は笑顔で頷きました。
そして女性を、商品が置いて場所へと案内をします。
商品は街から少し外れた所に建っている、建物の地下に在ると少女は言いました。
女性は少女に案内をされ、建物へと到着をすると、そのまま建物の中へと入って行きました。
建物は少し古びてはいましたが、それなりに小奇麗でした。
少女に案内をされるがまま、地下へと進んで行きます。
「
この先の檻の中に、沢山の商品が有ります。どうぞ好きな子を選んで下さい。」
女性は少女に言われた通り、地下の奥へと進んで行きました。
少女は女性の背中を見送ると、建物の外へと出ます。
外へ出ると、早速人通りの多い場所へと行き、再び街行く人々に声を掛けました。
「
女の子は如何?可愛い女の子を買いませんか?可愛い男の子も居ますよ。」
すると今度は、一人の男性が少女に近づきました。
「
どんな子が居るのかね?」
男性の質問に、少女は笑顔で答えます。
「
色んなタイプの子が居ますよ。どうぞよければご覧下さい。案内をします。」
少女は男性を、あの建物へと案内しました。
しばらくすると、また少女は戻って来ます。
しかし、建物の中へと入った女性も男性も、戻っては来ません。
少女はまた笑顔で、街行く人々に声を掛けました。
「
女の子は如何?可愛い女の子を買いませんか?可愛い男の子も居ますよ。」
雪の降る街中に、少女の声が響きます。
その声に吸い寄せられて来る、大人達。
少女に案内をされ、建物の中へと入っていった大人達は、誰一人戻っては来ませんでした。
只、少女の声に耳を傾けた大人達は、皆高価な物を身に付けたお金持ちばかりだったそうです。
それは欲深い大人と、欲深い子供達のお話でした。
[3回]
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