悲しきかな
己の醜さに嫌悪する
いつか見た美術品の美しい事
見た者を虜にする
視線を捕らえ離さない
わたくしめもそうなりたひと
刹那に願ひ
己を磨いて来たのです
如何せん
人間とは不自由な生き物で
輝ける時が来たと思へば
一瞬で朽ち果ててしまふ
体内の毒気が周り
皮膚の至る所から吹き出し
見るも無残に染め上げて行く
悲しゅうて、悲しゅうて
涙を流せば
白粉が崩れ落ちる
涙を流す事自体無い美術品
只深々と佇み
美だけを放つ歪み無き物
人間は如何せん
凹凸があり歪みもある
このままではあの人には会えぬと
また涙を流す
完璧に美しくなり
あの人に会いたひ
怨めしゅうあの人に
さすればきっとあの人の目には
わたくししか写らなくなるでせう
怨念と執着により求める美
それは全て
あの人の為
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