必要とされぬ華は
蕾すら出ない
殻に閉じ籠り
光を忌み嫌う
誰かが殻を抉じ開けてくれると
いつか、いつかと信じ
瞳を閉じる
強く閉じる
光の先にはあなたの姿があり
微笑んで迎えてくれるだろう
そんな妄想を抱きながら
今宵も眠る、夜
目が覚めても眠りについても
暗闇で
今はまだ閉ざされた土の中
芽を出していいのか迷い
己の意義存在に戸惑い
燃ゆる太陽を憎む
空よ、わたしは顔を出していいのでしょうか
雲よ、わたしは手を伸ばしていいのでしょうか
困惑する華は土の中で疼き
雨が降る日は涙を流す
もし芽吹いた時
もし花を咲かせた時
そこに誰もいなかったら
誰も待っていてはくれなかったら
わたしはすぐに朽ち果てるだろう
花弁は落ち、枯れ逝き
種すら残さないだろう
誰かに産まれ落ちる日を待ち望んで欲しい
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