彼岸花を君に手向けよう
紅に燃える花弁からは涙が零れ
悲しき思ひでを映し出すだろう
涙が枯れ果てる時
もうわたくしはここには居ない
どこにも居ない
花弁が朽ちる時
思ひでも朽ちるだろう
今更嘆いても時遅く
追い掛けて追い掛けて
求めて求めても
わたくしは居ない
苦悩するといい
後悔するといい
そうして傷跡を脳髄に残し
忘れられぬ日々を送るがいい
次の年に咲く彼岸花は
どの季節の赤よりも美しく咲き誇り
わたくしを思ひださせるだろう
次の年も、次の年も
赤色の彼岸花を見る度に
思ひだすがいい
いつしか青色の彼岸花に出会えた時
わたくしは再び君の前へと姿を見せよう
それはいつの日になるやら
今はまだ遠い物語
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