鳥は羽を伸ばし飛び立った
自由に空を舞う鳥を、地面に這う草は羨んだ
魚は水飛沫を上げ潜った
自由に水中を泳ぐ魚を、地面に這う草は羨んだ
逞しい足で大地を駆け巡る動物達
ライオンは鋭い刃で肉を切り裂き
兎は軽い足取りで飛び跳ねる
猪の群れは地鳴りを響かせ突進する
小さき生き物達も又、大地や空を自由に行きかう
蝶は美しい羽を魅せびらかしながら舞い
蟻は土の中に巨大な城を造り上げた
美しい光で暗闇を照らす蛍に
茂みに隠れ歌う合唱団の虫達
地面に這う草は只風に揺られ
それら全てを羨んだ
冬が訪れれば枯れ果て
春が訪れれば芽を出す
夏が訪れれば色味が増し
秋が訪れれば萎れて逝く
決められた事しか出来ず
飛び立つ事も、潜る事も出来ず
只じっとその場で繰り返す事柄に
地面に這う草は羨んだ
他のモノ全てを・・・
羨み羨み・・・そして又枯れて逝く
[0回]
PR
http://utau.kagome-kagome.com/Entry/64/憧れ