私の為に唄を歌おう
擦れる位小さな声で
貴方の為にも唄を歌おう
嗄れる位大きな声で
右手には赤い薔薇を
左手には白い薔薇を
二つの薔薇を黒いリボンで縛り付け
棺へと投げ込もう
また私の為に唄を詠おう
もう一度貴方の為に詩を詠おう
青い空は消し去り
蒼い夜空も消し去り
暗闇だけが存在を許される棺の上に投げ込まれた二輪の薔薇は
弔いでは無く罵声の印
その中で眠る人は何をした?
何もしなかった
何もしなかったのだ
何もせずに只眠りについた
逃亡者には闇を
傍観者には罵声を
棺の中で眠る私よ
貴方に捧げる詩を聴くがいい
私は私の為に歌う
棺の中で眠る貴方の為に詠う
気付いている筈でしょう
棺の中の私よ
貴方は只の臆病者
闇を押し付け眠りについた
臆病者の逃亡者
私は貴方に罵声の唄を
貴方は私に憐れみの唄を
互いに捧げ弔おう
逃げ出した傍観者へ
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