体が重い
まるで鉛が圧し掛かっている様だ
余りにも考え事が多いせいで
考える像でもおぶさっているのか
頭が重い
脳味噌の中に石ころが詰まっている様だ
足が重い
子泣きじじいがしがみ付いている様だ
重い
とにかく重い
空を見上げれば鳥が軽々と飛んでいる
憎らしい
あゝなんと憎らしく羨ましいのだ
公園を駆け回る子供
自転車で坂を走る学生
宙を舞うシャボン玉
私は石だ
石像にでもなったのだろう
重苦しい体は心まで重くする
憂鬱な日々が続く
苦悩する日々が続く
寝れぬ夜が続く
起きれぬ朝が続く
私は推測した
きっと寝ている間に夢魔に生気を吸い取られているのだと
何故ならばこんなにも朝は体が怠く
昼間は重苦しく
夕方はしんどい
一日中体が重いのだ
頭も冴えない
心も薄暗い
私は思い付いた
眠らなければ良いのだと
さすれば夢魔に襲われないだろう
次の日の朝
私は全てが軽かった
魂が体から抜け落ちたのだ
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